アジア大学ランキングの意味 ⑤-4 日本の大学再びベスト10入りは可能か?
2018.06.08
他の項目の評価を大きく上げる【各論文の被引用数】
アカデッミック・リサーチの強さは、世界的な大学の評価に最も大きく影響します。特に研究・論文のインパクトを測る直接の尺度として【各論文の被引用数(評価比重10%)】は特に重要です。
というのは、この評価項目の評価比重は10%でさほど高くありませんが、研究のインパクトが大きく、世界的に被引用数が多い論文を作成する教授陣・研究者を擁する大学は、前述の2つのグローバルな評価(【教職員・研究者の評価(評価比重30%)】【雇用者の評価(評価比重20%)】に強く連動し、高い評価になるからです。【各論文の被引用数(評価比重10%)】にグローバルな評価50%を加えると3項目の評価比重は、何と60%を占めてしまいます。
近年評価を大きく上げている、QSアジア大学のベスト10に入る大学はこの【各論文の被引用数】項目の得点が高く、清華大学(59.3)を除いてすべて60点以上です。特に、11位から20位までにランクされている韓国の5大学のうち上位4大学までがすべてこの項目で60点以上をマークしていることは注目に値します。
これに対して日本のトップ5大学でもこの項目のポイントが低く、いずれも60点を超えている大学はありません。かつて『アカデミックなレベルではアジア随一』と言われた日本の大学に対する高い評価は見る影もありません。
続く