後藤敏夫のグローバル教育情報

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アジア大学ランキングの意味 ⑤-3 日本の大学再びベスト10入りは可能か?

2018.06.01

 アジアにおいてナショナルブランドを回復するために、日本の大学が、QSアジア大学ランキングで再びベスト10入りを果たすことは可能でしょうか。

 この大学ランキングは、4つの大項目、10の詳細項目について一定の基準に従って、評価ポイントが決まります。それぞれ項目ごとに異なる加重をかけ100点を満点とする合計ポイントで各大学が順位を競います。

グローバルな評価、教育環境、論文の生産性 等の5項目では差がつかない

 ランキングの順位競争は椅子取りゲームのようなものです。10位以内に入るためには、少なくとも合計96ポイント以上は獲得し、他の国の大学を総合点で凌がなければなりません。

・10項目の詳細評価項目のうち、グローバルな評価…【教職員・研究者の評価(評価比率30%)】、【雇用者の評価】の2つの評価項目に関して、ベスト25位くらいまでの大学はいずれもこの2項目が極めて高いスコア(ほぼ95以上)なので、スコアの高さは上位のランクを維持する基本条件にしかなりません。

・教育環境…【教員数/学生数】【博士号取得教職員数】この2つの評価項目も一部の大学を除けば、20位くらいまで総じて同様に高いスコア(ほぼ95以上)

・論文の生産性…【論文数/学部】の項目では、リサーチが強くランキングが25位以上の大学は、高いスコアを獲得しています。

 ここまでで得点比重合計は80%。5項目のスコアはほとんど差がつかないので、これ以外の5つの詳細評価項目のスコアの上下が大きな焦点となります。



続く