後藤敏夫のグローバル教育情報

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アジア大学ランキングの意味 ⑤-5 日本の大学再びベスト10入りは可能か?

2018.06.15

国際化指標は、今後の大学の評価を大きく左右する

 研究のインパクトの指標【各論文の被引用数】と同様、【外国籍国際教員比率】【国際学生比率】【外部からの交換留学生】【内部からの交換留学生】4項目の大学の国際化指標は、極めて重要な指標であると同時に、大学のグローバル度(?G型度)を直接表現し、極めて差が出やすい指標と言えます。この以降4項目は各項目2.5%ずつ計10%の評価比重が置かれています。

交換留学の比率を上げることがG型大学移行への第一段階

 まず、世界大学ランキングには無い項目、大学の内外への交換留学生比率を見てみましょう。

 G型大学へテイクオフし、ランキング上昇を狙うには、世界中の上位大学や特異な分野のリサーチが強い多くの大学と提携関係を増やすことが必須となります。交換留学、タブルディグリー(共同学位)等の制度を整備、海外の提携大学から多数の交換学生を呼びこむこと。そして多数の国内の学生が、海外の提携大学へ交換留学-他流試合をすること。この2点がベスト10入りの最低条件になります。QSアジア大学ランキング2018のデータでは、アジアベスト10大学のうち清華大学と北京大学の【外部からの交換留学生】項目以外は、すべて70点以上です。更に【内部からの交換留学生】では、比較的の得点が上げやすいため、いずれの大学も極めて高得点。(10大学中8大学が90点以上。)

 これに対して日本の5大学は、大阪大学の【内部からの交換留学生】(76.5点)以外は60点未満の低いポイントに留まっています。



続く