アジア大学ランキングの意味 ④-2 英語で理工教育を行う韓国の上位専門大学校
2018.02.05
韓国トップは先端科学・技術を探求し、英語による理工系教育を推進する専門大学校
このタイプの大学校は、韓国系国際ハイテク企業を牽引する人材の供給源として、また、国際的な研究者の育成機関として位置付けられます。ここでは、QSアジア大学ランキングにて上位にランクインしている韓国トップの2つの専門大学校を取り上げます。
韓国科学技術院 (KAIST) 4位 ← 6位 浦項工科大学校(POSTECH) 12位 ← 12位 参考 東京大学 13位 ← 13位 東京工業大学 14位 ← 14位 (順位:QSアジア大学ランキング 2018年、2017年)
国立専門大学 韓国科学技術院 (KAIST) Korea Advanced Institute of Science and Technology)
韓国のアジア大学ランキングトップ、KAISTは1971年太田広域市に創立された、韓国が誇る理工系の国立専門大学校です。リサーチを主眼におき、授業の約90%は英語で行われます。卒業生成績上位者の多くはアメリカ・イギリスのトップ大学の博士課程に進学します。今後、KAISTは国際レベルの研究者や理工系・生命科学に関するの知識をにったグローバル企業の幹部候補を多数輩出すると思われます。
QSアジア大学ランキングで4位まで上昇、アジアのトップレベル大学のポジションを 確保しています。KAISTの立地は付近に韓国電子通信研究院(ETRI)等政府系・民間の研究所が100以上存在する研究学園都市に位置し、教育・研究では随一の環境です。学生数9,826(※)の中規模大学です。
私立専門大学 浦項工科大学校(POSTECH・・・Pohang University of Science and Technology)
一方、POSTECHは、韓国最大の鉄鋼メーカーPOSCOの肝いりで慶尚北道浦項市に1986年設立された私立理工系専門大学校です。韓国の理工学系研究や技術力向上に貢献することを目的とし、学生数3,117(※)という徹底した少数精鋭主義を採用、基礎研究を重視しています。日本の国際基督教大学と同じ規模。理工系としては極めて贅沢な教育環境です。KAISTがMIT(マサチューセッツ工科大学)をモデルにしているとすれば、POSTECはさしずめCALTEC(カリフォルニア工科大学)がモデルといえるでしょう。
国内外からの教員が集まる
両大学とも、極めてレベルの高い理工系教育と先鋭な先端研究を行うことで知られています。マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学等で博士号を取得、アメリカで教授経験のある教授陣を多く採用、英語を主にした授業、学士課程では英語による研究論文作成の訓練が行われています。研究の評価も高く、大学ランキングもアジアトップクラスに上昇しています。
※ 学生数:学生数: QS世界ランキング2018年度より。
(続く)