激変する高等教育の環境 ⑥ 国際学生比率(国際学生数/全学生数) その4
2017.10.29
存在感を増すドイツの大学
ドイツはイギリスのEU離脱表明後、一気にヨーロッパ大陸の一つの極になっています。EUは2005年頃から広域ドイツ圏の色彩を強め、BREXITを契機には明確にその姿を現しています。ドイツの存在感増大と共にドイツの大学のG型化が進んでいます。
G型化するドイツの大学は下記の二種類あります。
① 哲学(神学)・人文学・自然科学を中心に古い伝統をもつ総合大学 ② STEM(科学・技術・工学・数理科学)を中軸とする工科大学前者の代表的な例は、ルプレヒト・カール大学ハイデルベルグ校(1386年創立)※<68位>18.4%、ルードリッヒ・マクシミリアン大学(1472年創立)※<66位>13.5% の2大学。
後者は評価アップが著しい、ミュンヘン工科大学(TUM)※<64位>20.1%、アーヘン工科大学(RWTH)※<141位>19.2%, ベルリン工科大学(TU Berlin)※<144位>20.3% の3大学。【インダストリアル4.0-第四次産業革命】を掲げ、ドイツ連邦政府の強力なリーダーシップの下、ドイツ系グローバル企業・フラウンフォーファー研究所(欧州最大の応用科学研究機関)とこれらの主力工科大学がと一大プロジェクトを結成。AIとIOT(モノのインターネット)によってあらゆるデバイスを接続、【モノつくりの革命】を推進する教育・研究の中核となっています。上位の工科大学は周辺国の学生・研究者を集め、英語によるコースを増やし、次々と【G型大学】へとテイクオフしています。国際学生の学費の安さと相まって、国際学生増加の大きな要因になっています。
表2:各国上位大学の国際学生比率の比較
この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』10月5日号に掲載された記事を再編集したものです。