激変する高等教育の環境 ⑤ 国際学生比率(国際学生数/全学生数) その3
2017.10.22
ヨーロッパで上昇する国際学生比率
昨今ヨーロッパの各国では、ナショナリズムの強風が吹き荒れていますが、高等教育に関しては、EU優待学費の手厚いサポートもあり、EU加盟諸国から域内留学はかなり一般的な流れになっています。
専門性の極めて高いオランダの大学
イギリスEU離脱の混乱の中、非英語圏ではオランダの大学が抜群の存在感を増しています。修士以上のコースは殆ど英語で開講され、国際学生の受け入れ体制と国際学生比率では、非英語圏ヨーロッパでは随一です。
オランダは、九州と同じくらいの面積の国土に、人口約1700万人の人口を擁する小国ですが、世界最高レベルの専門分野を持つ大学が幾つも存在し、高い国際学生比率を保っています。
土木工学、建築工学、環境工学、宇宙工学、情報工学等工学関連全般に抜群の強みを発揮するデルフト工科大学 ※<54位>28.0%、ヨーロッパの農業科学・食品科学の一大拠点ワーゲ二ンゲン大学 ※<124位>28.5% ビジネス・経済学ならエラスムス大学ロッテルダム校 ※<147位>22.5%、アムステルダム大学 ※<58位>14.6%等が代表的なG型大学です。これらの大学は国際学生合計の比率のみならず、多様性も高く出身国はいずれも数十ヶ国~百ヶ国を超え、多文化の教育・研究環境を誇っています。
表2:各国上位大学の国際学生比率の比較
この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』9月28日号に掲載された記事を再編集したものです。