後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

『新時代の学びの評価軸』 PISA型教育とは⑤

2017.08.03

グローバルコンピテンシーの考査方法

『PISA2018』のグローバルコンピテンシーの考査では2つの調査方法が用いられます。
1. テスト形式の調査(認識評価) グローバルな様々な問題、或は問題解決や異文化理解に関する知識・理解や観点を割り出し、分析・評価する能力を試すのが目的です。「選択肢問題」と「オープン記述回答式問題」の2種類の問題が出題されます。特に後者は様々な観念、知識に基づいて問題解決を求められ、多角的な観点から【グローバルコンピテンシー】が測定できるようになっています。
2. アンケート形式の調査(自己報告評価)における4つの観点 ① 「グローバルに関する知識と認識」グローバルな問題や異文化間の問題に関する知識と理解を自己評価する。 ② 「グローバルな環境でのコミュニケーション力」相手に敬意を示し、良好なコミュニケーションが可能か。何カ国語でどの程度会話ができるか。そしてコミュニケーションに困難がある場合如何に乗り越えるか。 ③ 「グローバルな環境での柔軟的対応力」異なった文化、経験したことのない状況、環境に置かれたときの対応力。柔軟性が高ければ、“カルチャーショック”がもたらすストレス、孤独などを解決する能力が大きいと評価される。 ④ 「グローバルに対して公平に共感できるか?」他人の心情や体験に対して共感できるか?共感性が高ければ異文化に対する心理的バリアーが低くなり、コミュニケーションも円滑になる。
以上の4つの観点で【総合評価】として、以下の視点で総合的に評価されます。
a.【興味の度合】9他国の人々、異民族に対するオープンさ、異文化に対する興味について。 b.【公平感・尊重】異文化に対する尊敬心 c.【グローバルな視点での思考力】グローバルな思考をするか?多様性を基本として、自らを世界の一員とし、世界の問題に関心を持ち、深く考えることができるか? d.【責任意識】:グローバルな問題に関して公平な立場で、自らの問題として責任があると考え、行動に結び付けられるか? (続く)

この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』6月8月号から7月6日号に5回にわたり掲載された記事を6回の掲載に再編集したものです。