後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

『新時代の学びの評価軸』 PISA型教育とは④

2017.07.29

シンガポールの環境とグローバルコンピテンシー

私達が居住するシンガポールは、子供の頃からグローバルコンピテンシーを育むには極めて恵まれた環境と言えます。 ① 社会における多様性が前提である都市国家であること。多民族、多宗教、多文化の環境が日常的にあり、様々な体験ができます。 ② 世界各国からの長期滞在外国人が多く、公教育や習い事、各種スポーツクラブ、音楽教室、バレエ教室等で外国人と容易に交流ができる。(滞在1年以上の外国人数は、シンガポールの人口の約30%と言われています。) ③ 安全度が高く、子供同士で公共交通機関を利用でき、買い食いや買い物など、気楽に海外体験が楽しめるアジアで数少ない都市であること。 そのため、シンガポール滞在中に【グローバルコンピテンシー】を是非、向上させてください。そのためには、シンガポールという環境をうまく利用し、海外での生活体験を積極的にすることが需要です。異なる言語を使い、異なる宗教を信仰する民族が周囲にいることが当たり前になり、彼ら(彼女ら)との付き合い方を感覚的に身に着けることはさほど難しいことではありません。 夏休みの度に、必ず一時帰国するご家庭の話をよく聞きますが、「せっかくの海外駐在を利用して、お子さんが海外体験をする貴重なチャンス」を失うことになります。特に比較的短い駐在の方は、シンガポールに滞在するか、周辺各国を家族旅行、アジアの多様性や豊かさを感じる体験をすることをお勧めします。目的地に関する小リサーチをご家族で分担し、旅行後に話し合うのもとても貴重な学習体験となります。(続く)

この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』6月8月号から7月6日号に5回にわたり掲載された記事を6回の掲載に再編集したものです。