アジア大学ランキングの意味 ⑤-15 日本の大学再びベスト10入りは可能か?
2018.08.11
G型大学で求められる能力をもつ日本人学生を如何に確保するか?
英語のみによる学位プログラムを整備しても、過半数を占める日本人学生がG型大学で求められるコンピテンス(能力、スキル)を保持していなければコースが成立しません。
① 付属の高大一貫教育高校の二重言語教育(DLE化)
慶應義塾大学は傘下の高大一貫教育高校(※)を5校持っています。これらの5校はほぼ慶應義塾大学に進学する一貫教育を行っています。
これらの学校のディプロマポリシー(卒業要件)に、「各科目の評定平均値」に加えて「専門科目を英語で履修可能なレベルであること」を明記すること。具体的には、国際的な認知度の高い4技能テストであるTOEFLで70以上、あるいはIELTS 5.5以上を最低条件にすべきです。ちなみにこのスコアは、オーストラリアの上位大学であるオーストラリア国立大学、シドニー大学の大学進学準備過程の入学基準スコアです。
※ 慶應義塾高大一貫教育高校:慶応義塾高校、慶應義塾志木高校、慶應義塾女子高校、慶應義塾湘南藤沢高等部、慶應義塾ニューヨーク学院<高等部>
② 優秀な帰国生を獲得すること
英語のみによる学位プログラムに参加できる英語の運用スキルとグローバルコンピテンシーの高い学生を獲得すること。特に大学入学者選考時、国際バカロレアの高スコア履修者を優遇、可能な限りペーパーテストを排し、論文、口頭試問を採用。明確なアドミッションポリシーを開示すること。
③ 国際学生の増加に合わせて、PEARLやGIGAの日本人学生数を増やし、通常コースの学生数を減らすこと
国際学生だけでなく、日本人学生の英語授業の比率を向上させることで、ダブルディグリー(共同学位コース)受講者や、海外大学の大学院修士課程の進学者数を増やすことに直結するからです。