後藤敏夫のグローバル教育情報

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アジア大学ランキングの意味 ⑤-12 日本の大学再びベスト10入りは可能か?

2018.07.29

短期的にランキングを上げるには各種国際指標に焦点を

 日本の私立大学は、そろそろ本腰を入れてグローバル化と研究力を軸にした抜本的な生き残り戦略を構築、発動しないと世界の流れから大きく後れを取ってしまいます。既に述べてように韓国の私立大がQSアジア大学ランキングで健闘しています。

グローバル化で先行する早稲田大学

 早稲田大学のキャンパスに行くと、年々国際学生が増えていることが実感できます。様々な民族・国籍の学籍をもつ学生が同一キャンパスで学び、英語で話す学生の数も格段に増えています。国際学生数は4キャンパス合計で6,230人、13.5%(国際学生数/全学生数)。非英語圏の大学としてはまずまずの数値。国際学生数では、日本随一を誇ります。G型大学の一つの目安と言われている15%まであと一息です。大学側も確実にG型大学へ舵を切り始めました。

英語のみによる学位プログラムが鍵

 留学生を確実に増やしている鍵は、何と言っても英語のみによる学位プログラムです。世界共通語=英語によるプログラム設置はG型大学化の必須条件ですが、選択できる専攻分野が限定されると学生募集には不利になります。留学生にとって多くのコースと受け入れ体制があれば安心した選択が可能になるからです。

 早稲田大学の場合、2010年10月より下記の5学部と関連分野の大学院7研究科で英語のみによる学位プログラムが始動、既に卒業生を多数輩出しています。

1. 国際教養学部 2. 政治経済学術院…政治経済学部 3. 理工学術院…基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部

人文・国際教養系、経済学・経営学系から理工系のコースまで、ほぼフルセットで英語のみによる学位プログラムを用意していることになります。



続く