後藤敏夫のグローバル教育情報

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アジア大学ランキングの意味 ⑤-11 日本の大学は再びベスト10入りは可能か?

2018.07.22

教職員の博士号取得率が低い慶應、早稲田

 慶應義塾大学、早稲田大学は、各論文の被引用数(ポイント)のみならず、教職員の博士号取得率(スコア)の低さも大きく目立ちます。

 韓国私立大学校トップ3のスコアは、高麗大学校<16位…97.5>、成均館大学校<18位…99.6> 延世大学校<19位…94.2>。この項目に関しても総合10位台の大学として、いずれの大学も高いスコアを出しています。

 これに対して慶應義塾大学<36位…14.4>、早稲田大学<39位…35.2>、という低いスコア。この数字は大学の研究者・教授陣の採用方針に直結します。博士号の取得率(スコア)が低い大学は、

① 教員の専門性が低い。
② 透明性と公平性が低い、徒弟制度のような教職員採用を行っている。
③ グローバルな研究体制が整っていない。

という印象を持たれ、明らかに大学評価としてはマイナスです。優秀な研究者、留学生双方にとって上記の3点のイメージは、大学選択時に決定的なものになりかねません。

 一般的にレベルの高いG型大学の教授・講師・研究者の応募の基本条件は、博士号やPHD取得者です。博士・PHDは研究者・教授陣にとって運転免許のようなもの。博士号を持っていることは【世界的に通用するリサーチの基本的な手法】をきっちり学んでいるということ。問題はその後の研究です。



続く