アジア大学ランキングの意味 ⑤-2 4ヶ国の競争?
2018.03.15
熾烈な国際競争を続けるアジア4ケ国
QSアジア大学ランキングは世界で最も注目を浴びている地域大学ランキングの一つです。AEC(アセアン共同体)10か国、中国、日本、韓国、台湾を含む東アジアとインド、パキスタンを中心とする南アジアの3地域がこのランキングの該当地域。約40億の人口を擁し、近年経済成長が目覚ましく、上位中間層、富裕層の比率が増大、多くの国で高等教育進学率が急上昇。各国の大学・研究機関は着実に実力をつけ、優秀な学生と研究者・教授陣の熾烈な獲得競争に入っています。この中で、シンガポール、中国(+香港)、韓国と日本の4ヶ国がトップグループを形成、上位大学から次々とG型大学(グローバル型大学)へテイクオフしていきます。
軒並みランキングを落とし、存在感が薄れる日本の大学
激しい国際競争の中で日本の大学の退潮が大きく目立ちます。QSアジア大学ランキング2018年で50位以内にランクされている日本の大学は11大学。2018年の順位を2012年と比較し、6年間の変化を見てみると、その厳しい状況がはっきり見えてきます。日本の10番手、早稲田大学を除いて、すべての大学が順位を落としています。
気が付けば10位以内に日本の大学は何とゼロ。従来日本の双頭の鷲だった東大、京大もいずれも11位以降。アジアの大学の中で、トップクラスの日本の大学が消滅したことになります。11位以降20位までの準トップクラスを保持していた東北大学、名古屋大学は20位台に転落しています。
この傾向が進むとますます日本の大学の存在感が薄くなります。
「QSアジア大学ランキング2018/2012比較(日本の大学)(筆者作成)
東京大学 13位 ← 8位 (▼ 5) 東京工業大学 14位 ← 13位 (▼ 1) 大阪大学 15位 ← 11位 (▼ 4) 京都大学 17位 ← 10位 (▼ 7) 東北大学 20位 ← 14位 (▼ 6) 名古屋大学 27位 ← 18位 (▼ 9) 九州大学 29位 ← 22位 (▼ 7) 北海道大学 31位 ← 23位 (▼ 8) 慶應義塾大学 36位 ← 30位 (▼ 6) 早稲田大学 39位 ← 42位 (△ 3) 筑波大学 40位 ← 32位 (▼ 8)
(続く)