後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

激変する高等教育の環境 ④ 国際学生比率(国際学生数/全学生数) その2

2017.10.15

意外に国際学生比率が低く2極化が最も進んでいるアメリカ

 アメリカの最上位クラスの大学はノーベル賞受賞者を多数輩出する文字通り世界のトップレベルのG型大学です。しかし、イギリス、カナダ、オーストラリアと比較すると、国際学生比率は意外に低く、スタンフォード大学 ※<2位>22.8%、イェール大学 ※<16位>19.9%、州立最上位大学カリフォルニア大学バークレー校(USB)※<27位>でも16.6%です。

 世界ランキング300位以内の私立総合大学や州立大学トップ大学でも、国際学生比率は10%から高い大学でせいぜい15%前後です。実際、※約3,039もあるアメリカの大学の中で300位以下では国際学生比率は更に低くなり、多くの大学はL型大学の範疇に入りそうです。

 しかしながら、アメリカの場合は「合衆国」という名称が物語るよう、様々なバックグラウンドをもつ移民で構成されるアメリカ市民が存在しますので、国際学生比率が低いというだけで必ずしも「L型大学」と言い切れない側面もあります。

 アメリカ以外の英語圏の世界ランキング50位までG型大学は、概ね30%前後の国際学生比率を保持しています。非英語圏の大学の国際学生比率については、15%がG型への テイクオフの目安と言われています。

※ National centre of Education statistics 2013-2014より

表2:各国上位大学の国際学生比率の比較

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この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』9月21日号に掲載された記事を再編集したものです。