後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

激変する高等教育の環境 ③ 国際学生比率(国際学生数/全学生数)その1

2017.10.08

 G型大学度にとってもう一つの重要な指標は国際学生の比率です。
A.世界各地出身の優秀な国際学生が多数在籍しているか?【多様性の度合い】
B.優秀な国際学生が選ぶグローバルな教育・研究環境の存在
 世界中の様々な地域から集まった優秀な学生が切磋琢磨する教育環境を持つことがトップレベルのG型大学の条件と言えましょう。多様な学生の同士の競争環境だけでなく、卒業後に世界各地に広がるネットワークは、得難い大きな財産になります。

国際学生比率が極めて高いイギリス

 この点では、イギリスのトップレベルの大学はピカ一の国際学生比率を誇ります。例えば、在ロンドンの総合大学 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン<7位>の国際学生比率は47.8%、物理学、化学、生命科学系に抜群の強みを発揮するインペリアルカレッジ・ロンドン<8位>54.4%、社会科学系の専門大学であるロンドン・スクールオブ・ビジネス(LSE)<35位>は何と69.9%です。ちなみに世界ランキング50位までにランクインしたイギリスの大学はケンブリッジ大学、オックスフォード大学を含め9大学。1大学を除き国際学生比率がいずれも35%以上です。G型大学の典型ということができます。

国際学生比率が上昇しているオーストラリア、カナダ

 留学先として人気上昇、国際学生比率が上がっている国が、オーストラリア、カナダ両国です。世界の政治・経済情勢が不安定している中で、
① 教育・研究レベルが高いこと
② 政治的に安定、社会の安全性が高いこと
③ 卒業後労働ビザを取得しやすいこと
の3点が大きな利点になっています。世界大学ランキング50位までに、オーストラリアは5大学、カナダは2大学がランクインしています。これら7大学のうち6大学が30%以上の国際学生比率を保持しています。

 ※以下 QS世界大学ランキング<順位>

170818-2 この記事は、シンガポールのコミュニティ誌『Singalife』9月14日号に掲載された記事を再編集したものです。