後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

グローバル文化論③

2014.10.15

日本食は文化の異種交配のたまもの
日本食の原型 主食+おかず+汁という一汁三菜の形ができたのは平安時代の末ごろ。その後室町時代という海外との門戸を開いた時代に入ってきた様々な食を含んだ文化は 江戸時代の鎖国(海禁)という長い平和な時代に熟成されていったと思われます。 (寿司、てんぷら、そば、うどん等の)今の日本食の代表的メニューや様々な菓子の形ができたのは江戸時代元禄のころと言われています。各種料理屋、仕出しサービスやグルメブックがあり支配階級の武士だけでなく、豊かな町人もそれを楽しんだと言われています。 各地で育まれた日本食も、それぞれ地方によって入手しやすい食材を使い、他の食べものと混ざりながら新しい食を生みながらどんどん進化していきます。 お馴染みのラーメン(拉麺)も筆者のこどものころは シナそばといって完全に中華料理の範疇に入っていました。戦前、旧満州から焼き餃子と中華そばを持ってきた華僑が広めたと言われています。札幌ラーメン、九州ラーメン、喜多方ラーメン等々戦後独自の進化をとげ 日本食の重要な一部となっています。今やラーメンを中華料理の変種だと思っている外国人は少ない。日本式洋食といわれる分野・・・ハンバーグステーキ、とんかつ、オムライス、やカレーライスも海外で認知度を上げてきました。箸で食べる洋食なんていうのもそうですね。最近では、豚肉を一切使わず、ムスリムが食べられるハラールジャパニーズを供する京懐石料理の店がついに現れました。(明治の初頭『牛肉鍋をつついてみれば文明開化の味がする』と言って牛肉を食べるまでは、日本人は肉を食さなかったわけですから、驚くに当たらずです。) まさにハイブリッド種(雑種)の極み。   (続く) ワールドクリエィティブエデュケーション CEO オービットアカデミックセンター 代表 ワールドスクエア 代表 後藤敏夫