急速にグローバル化する東京工業大学
2018.10.15
国公立大学においては、それぞれの事情に合わせて、大学独自の国際化が進んでいます。
理工系専門大学として世界的に評価の高い東京工業大学(2019 QS世界大学ランキング58位)は急速にグローバル化を進めています。QS世界ランキング2019のデータによると、国際学生比率約12.2%、外国人教員比率約12.7%となっており、これは日本の国立大学の中ではトップクラスです。
理学院、工学院、物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院、リベラルアーツ研究教育院…7学院19系(分野)(※)、学生数9,962名を擁する理工系専門大学です。
※学院:東工大は学部卒業の約9割が大学院に進学するため、学部組織ではなく、学士課程→修士課程→博士後期課程の一貫したカリキュラムやコースを構築しやすい組織=学院になっています。)
修士課程、博士課程の英語学位プログラムの拡大(国際学生比率の向上)
特に理学院系コース、工学院コースでは国際化が進んでいます。6つの学院の幅広い分野=系にわたり英語学位プログラムが開講されています。 いずれも日本語能力は不問なので国際学生が履修しやすく、国際学生比率や外国人教員比率も向上。キャンパスのグローバル化の進展に一役買っています。 2020年以降、大学入学共通テストの英語が民間の外部テスト(TOEFL/IELS)で代用可能になり、入学者の英語力が増進すると、履修希望者は更に増えそうです。学士課程の英語学位プログラム
東京工業大学では、学士課程からの国際化を図る先駆的取り組み=英語学位プログラムが既にも始まっています。 2016年4月に始動した融合理工学系国際人材育成プログラムGSEP(Global Scientists and Engineers Program)は、英語学位プログラムとして外国人学生を対象にしていますが、日本人学生も2年次に融合理工学系コースを選択することで、GSEP学生とともに英語による科目の受講が可能です。グローバル理工人プログラム
世界で活躍するエンジニア、科学者を養成するため、所属する学院の専門科目を履修しながら同時に下記のプログラム(選択)を履修することができます。<1.国際意識醸成プログラム(3単位以上)>
1年次前期の類専門科目で国際性の意識を強め、1年次後期の「グローバル理工人入門」では、留学生とのグループワークを通じ、国際的な視点から多面的に考えられる能力、グローバルな活躍への意欲を養います。
<2.英語力・コミュニケーション力強化プログラム(4単位以上)>
海外の大学等で勉学するために必要な実践的かつ専門的な英語力・コミュニケーション力を養います。本コース修了には単位とは別に、TOEIC750点以上またはTOEFL iBT80点以上の取得が必要です。
<3.科学技術を用いた国際協力実践プログラム(8単位以上)>
本コース対象の文系教養科目と専門科目を修得することにより、①課題発見・解決力 ②異文化理解力 ③チームワーク力を養い、国や文化の違いを越えて協働できる能力、複合的な課題について、制約や条件を考慮しつつ本質を見極めて解決策を提示できる能力を養います。
<4.実践型海外派遣プログラム(1単位以上)>
1~3のプログラムで養った能力を実践する留学・インターンシップを行います。自らの専門性を基礎として、海外での危機管理も含めて主体的に行動できる能力を養います。
(続く)
(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2018年10月号(2018年9月20日発行)に掲載された内容です。)