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アジア大学ランキングの意味 ⑤-10 日本の大学は再びベスト10入りは可能か?

2018.07.15

学術的な評価が低い日本の私立大学

 韓国の私立大学校と比較すると、国内トップを競う私立大学の両雄、慶應義塾大学(36位)、早稲田大学(39位)の評価の低さが目立ちます。

 多くのランキングにおいて、最重要評価項目の一つである各論文の被引用数(ポイント)が低いことが、高度な学術研究と高等教育の拠点である大学のブランドを大きく下げています。この項目のポイントの低さからは、研究者間の健全な競争が少なく、野心的な研究が行いにくい教育・研究環境であること。その結果【インパクトが強く、イノヴェーティブな研究論文】の生産性が低い、という評価になってしまいます。こうなると世界中の優秀な研究者・教授陣を集めることが難しくなり、この評価項目だけでなく、【教職員・研究者の評価】の評価も低下、総合ランキングも厳しい結果が出てしまいます。

 QSアジア大学ランキングにおいて、各論文の被引用数においては韓国私立大学校トップ3のスコアは、高麗大学校<16位…60.0>、成均館大学校<18位…67.9>、延世大学校<19位…54.2>。総合10位台の大学としては比較的高いスコアを出しています。これに対して慶應義塾大学<36位…36.2>、早稲田大学<39位…35.6>。先端的な研究を行うべき国内トップの私立研究大学としては、かなりきわどいレベルと言ってよいと思います。



続く