後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

『多国籍国家シンガポールから学ぶ』②

2014.03.03

多国籍な食事環境
シンガポールでホーカーセンターに行けば、各種中華料理*、マレー料理(ムスリムが食べるハラールフード)、南北インド料理、韓国系、中東系、日本食などより取り見取り。様々な民族が隣同士の席で、一緒に食事をしています。豚肉を食さないムスリム、牛肉を食さないヒンドゥ、いろいろなベジタリアンたち。ここでは彼らは宗教的な制限があっても、自分の食べたい食べ物を選べる多民族の共有空間となっています。最近では、どの民族でもスパゲティやピザ、メキシコ料理、日本食を楽しんでいる様子、中国人や韓国人のアジア系がインド料理を食べる姿を目にします。「まずは食にて文化を知る」といえるでしょう。*中華料理といっても、北京、上海、広東、福建、江蘇、潮州、湖南料理等々数多く種類がある。  
食から異文化体験をする
是非お子さんたちを色々な料理を食べに連れて行ってあげてください。私たち日本人の多くは食事に関して宗教的タブーはないので、食べられないものはありません。勿論馴染みが薄いものは沢山あります。最初はおっかなびっくり。初めての食べ物は往々にして『美味しくない』『口に合わない』と感じ、往々にして拒絶感を感じるものです。しかし、何度か食するうちに『以外と美味しい』と感じるようになったりします。 子供の時にちっとも美味しいと思わなかった酒の肴も大人になると美味しいと思うようになりますね。馴れることにより未知の味が徐々に馴染みの味になる変化が起こり【味覚の常識】が広がるのです。スパイスが沢山入った料理も次第に慣れてきます。年齢が低ければ低いほど感覚は柔軟で味覚のストライクゾーンの広がり方は大きい。東南アジアに育ち現地体験の豊かな子供たちには 日本食を食べるときにはジャポニカ米(短粒種のコメ)、でもチャーハンやブリアニはインディカ米(長粒種のコメ)のほうがが格段に美味しいといいます。中にはインディカ米を炊いたときの強い匂いを嗅いで食欲をそそられる子までいます。  
どんな料理でも食べられる・・・グローバル人材としての強み
どんな料理でも食べられる、これは将来グローバルな世界で活動する際に大きな強みになります。自分の民族の食べ物が好きな連中を嫌ったり、警戒する民族はいません。日本で 納豆や卵かけごはんが好きな外国人を「変わった外国人だ」とは言っても、悪意を持つ人はいないと思います。どんなものでも拒絶感なしに食べられれば、外国人との付き合いが必要になった時に、いきなり相手の懐に飛び込んで行けます。 オービットでは創立当時から「初めて出されたものは、取りあえず拒絶しないで3度までは食べてみろ。味覚が広がって以外と美味しいと感じるようになるかもしれない。それでも好きにならなかったらそっと残しておけ」と言ってきました。手っ取り早くできる異文化体験は いろいろな民族の食べものを試してみることです。 『自らの文化に誇りを持ちながらも、絶対視せず、違うものを拒絶せず、受け入れてみる』というおおらかな態度は、神仏習合を受け入れきた日本民族の得意技かもしれません。現在の日本において、もっとも多国籍化が進んでいるのは、この食文化とも言えます。この食文化にたいするオープンな素質をグローバル人材に成長するための日本人の強みのひとつとしていきたいものです。 (続く)   ワールドクリエイティブエデュケーション CEO オービットアカデミックセンター 代表 ワールドスクエア 代表 後藤敏夫