後藤敏夫のグローバル教育情報

ニュースレター

後藤敏夫のグローバル文化論 ①

2014.04.10

日本食が世界文化遺産に登録
ご周知のとおり、昨年12月和食がユネスコの世界文化遺産に登録されました。アジアをはじめとする世界各国で日本食は空前のブームです。このことは日本の食文化が諸外国に認められ大変喜ばしいことですが、 「万物流転する」「万物苔むさず」と、日本の中世以来の無常観は日本人のDNAに深く刻まれています。 吉田兼好「徒然草」鴨長明「方丈記」等、学生時代に読まれた方も多いと思いますが、この無常観こそ、脈々と日本人の血脈ともいえ、また、言い換えると、異文化の受容力にもつながっているともいえるかもしれません。 周囲がそれぞれ異なることを認めなければ、この宇宙の中で自分が唯一、無二の存在ではいられません。今西錦司のすみわけ理論ではないけれど、お互いの違いを認識することが自己認識の第一歩といえるでしょう。  
モビリティ-mobilityを高くするにはどうすればいいか?
グローバル人材の条件として、モビリティ‐Mobility 【地球上、いつでも動ける、どこでも働ける】の重要性を筆者は常々あげています。では、モビリティの高さを具体的に考えてみましょう。 流暢に英語が使えても、海外に行った経験があってもモビリティが低い人はいくらでもいます。何が決定的な差になるのでしょうか? 異なった生活習慣や文化に偏見を持たないで面白がれること。 なんでも食べれること。味覚が広いこと。 違うものに、強い好奇心をもつこと。 意見の違いを客観的に見れること。 状況対応力があること。昨日と明日の違いが容易に納得できること。 細かいことに「こだわりすぎないこと」。 自らの行動に責任を持ち、簡単に人のせいにしないこと。 こうした、好奇心、独立心、客観性が強ければ強いほど、Mobilityが高いと言えそうです。 (続く)