グローバル教育コラム

HOME > グローバル教育コラム一覧 > グローバル教育解説 > 後藤敏夫のプリズム分析 スーパーグローバル大学(SGU)の衝撃①

後藤敏夫のプリズム分析 スーパーグローバル大学(SGU)の衝撃①

グローバル教育解説

2015.03.01

日本の大学のグローバル化がいよいよ始動

77億円財政支援によるハイスピードな大学改革が急発進

 文部科学省は、昨年10月に日本の大学の国際競争力向上とグローバル人材育成を図るための特別プロジェクト【スーパーグローバル大学創生支援】を始動させました。ここで、トップ型とグローバル牽引型の2タイプ合計で37大学※が「スーパーグローバル大学(SGU)」として認定され、総額約77億円の財政支援が決定されました。
 この大規模なプロジェクトでは、教育制度の抜本的変革を迫る内容が盛り込まれており、認定された大学ごとに、その目標達成年度(2016年、2019年、2023年)と変革すべき目標数値が具体的に表示されています。政府主導の大型、且つ、短期間での教育改革を目指すプロジェクトの急発進に対して、教育界全体に大きな衝撃が走っています。

『英語による多国籍な学生のための大学』がプロジェクトの中心課題

 このプロジェクトでの中心課題は優秀な外国人学生をどう受け入れるかにあります。そのため、課題は次の4点に絞り込まれているといえます。

 1.英語で授業が行われる専門科目と授業を増やし、英語による授業だけで卒業できるコースの設置推進。
 2.優秀な外国籍学生の積極的受入れと受入れ体制の整備。奨学金制度や学生寮の整備。
 3.優秀な外国人教員の雇用、受入れ体制整備。
 4.世界トップ大学との連携や提携の実現推進。ダブルディグリー(海外大学との共同学位)、編入制度の整備、交換留学制度の推進等。

 特に、1の、『英語による専門科目を増やし、英語による授業のみのコースを設置すること』は、大学をグローバル化し、国際競争力を強化する第1の鍵になります。優秀な外国籍学生や教員を増やし、世界のトップ大学とのダブルディグリー等の連携を拡大するには、共通語英語(=リンガフランカ)での授業やコースを増やすことが必須だからです。そのためには、日本語ばかりでなく、英語でも専門科目を受講できる優秀な日本人の学生を育てなければなりません。こうして、明治の学制施行以来我が国が堅持してきた、『日本人の日本語による日本人のための大学』という高等教育の大原則が『英語による多国籍な学生のための大学』へと大きく変わろうとしています。

中等(初等)教育におけるDLE(2言語教育‐Dual Lingual Education)が成功の鍵

 大学改革の前提となるのが、中等(初等)教育でのDLE(2言語教育‐Dual Lingual Education)の導入と成功です。欧米を中心とした英語圏からの優秀な学生ばかりでなく、成長著しいアジア、中近東の国々からの優秀な学生たちが世界のTOP大学に進学し、大学のグローバル化や多国籍化を進める潮流となっていますが、これを今後、下支えするのが、中等(初等)教育でのデュアルラングエージエデュケーション(DLE)と言っても過言でないでしょう。

(続く)

※スーパーグローバル大学と認定された37大学はトップ型【世界大学ランキング100を目指す力のある大学】と、グローバル牽引型【これまでの取り組み実績を基に、更に先導的試行に挑戦し、日本の教育のグローバル化を牽引する大学】の2つタイプに分かれている。
【トップ型13大学】東京大、京都大、北海道大、東北大、筑波大、東京医科歯科大、東京工業大、名古屋大、大阪大、広島大、九州大、慶應義塾大、早稲田大
【グローバル牽引型24大学】千葉大、東京外語大、東京芸術大、長岡技術大、金沢大、豊橋技術科学大、京都工芸繊維大、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大、熊本大、国際教養大(AIU)、会津大、国際基督教大(ICU)、芝浦工業大、上智大、東洋大、法政大、明治大、立教大、創価大、国際大、立命館大、関西学院大、立命館アジア太平洋大(APU)

ワールドクリエィティブエデュケーション CEO
オービットアカデミックセンター 代表 後藤敏夫

ページトップへ