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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 現在の就職戦線と大学の改革

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2013.07.10

2013.07.10

8/19(月)からの高等部の2013-14年度授業開講に先立ち、6月2日および16日に、オービットで「高等部新年度説明会」を実施しました。今月号ではその内容の一部をご紹介いたします。

現在の就職戦線と大学の改革~海外生にチャンス到来

グローバル化という言葉が使われ始めて久しくなりますが、日本の社会にも本格的にその波がやってきているようです。日本の企業であっても本社機能を海外に移転する企業も珍しくはありませんし、「グローバル採用=人種・国籍を問わない採用方法」が当たり前の時代になります。では、グローバル採用で企業から選ばれるのはどんな学生なのでしょうか。まず、第一に日本語・英語+αのマルチリンガルであること。実際に上海にある外資系採用をかけた際に集まった人の大半は英語・中国語とさらにもう一言語を話せる人達ばかりだったということです。第二にどこでも働けるということ。日本国内ではこれから仕事が減少傾向になります。その中で日本国内でしか働けない人は企業にとって魅力的な人材ではありません。第三にコミュニケーション能力があること。これからは日本国外だけでなく国内でも働くということには色々な国籍の人との関わり合いが付随してきます。様々な文化や考え方が混在する中で、相手との違いを当然のことだと思い、自分をしっかり表現できることがこれからの時代では当たり前になってきます。

そこで、企業が求めるこれらの条件に見合う学生を育てるために大学が本格的に動き出しました。最近の教育に関するニュースから大きなものを3つ取り上げます。

① 京都大学が一般教養科目の半分を英語で実施することを決定
 2013年度から5年かけて外国人講師を約100人増やし、主に1~2年生が学ぶ一般教養科目を英語で実施することにより、国際的に活躍できる人材の育成を目指しています。こういった試みが旧帝大系の大学で行われるのは初めてのことであり、京都大学がいかに本気で変革しようとしているかが伝わってきます。

② 大学入学・卒業要件にTOEFL義務付けを提言
 自民党の教育再生実行本部は安倍首相に海外で活躍できる人材育成のための教育政策を提言し、その中のひとつに「高校卒業時でTOEFL45点以上を全員が達成」及び「上位約30校での卒業要件をTOEFL90点以上取得とする」といった条件が含まれています。いつの段階でどの程度実現するかは不透明な状態ですが、世界の状況を見るとこういった条件を取り入れない限り日本がグローバル化から取り残されてしまうのは明らかです。

③ 文部科学省が2016年までに日本にIB認定校を200校に増やす目標を設置
 現在日本にあるIB(DP)認定校は15校のみですが、あと4年で200校まで増やすという文部科学省の構想が明らかになりました。IBは教授言語が英語・フランス語・スペイン語に限られるため、日本では、そういった語学の壁や教授法が今までの日本式とはまったく異なるといった問題がありますので、200校という数字が現実的なものかは定かではありませんが、次世代の人材育成を行う方法の一つとして取り入れ始める学校が増えていくことは確実です。

これらのニュースを鑑みても日本が国をあげてグローバル化に向けて動いているのは自明のことです。そこで海外生の出番です。先ほどあげた企業が求める人材の3つの要素を海外生は日常の環境の中で自然に身に付けることができるため、これからの時代かなり有利だということが言えます。シンガポールという地の利を生かして国際的に活躍できる人を目指しましょう。

海外生の大学入試の実態とトレンド
インター校生にとって大学入試の選択肢は、国内の高校生と異なり複数あります。大きく分けて3つあり、1つ目は、国内の大学を帰国枠もしくはAO入試で受験する方式、2つ目は国内の大学のうち、G30(グローバル30)と呼ばれる大学・学部を受験する方式、3つ目は海外大学を受験する方式です。それぞれ合格に必要な条件とは何でしょうか。

帰国枠・AO入試で必要なものは、①学校の成績(IB)、②TOEFLのスコア、③小論文です。
まず、学校の成績において重視されるのはトータルのスコアです。現段階では履修科目の内容は重要ではありませんが、今後は注意が必要です。特に、IBの評価、認知度が国内でも急速に高まっていますので、今後はDiplomaとCertificateの区別や、履修科目による評価の区別がなされることが予想されます。海外の大学同様、特に理系を重視する傾向が出てくるでしょう。

TOEFLのスコアについては、日本国内でも受験の機運が高まってくることが確実なので、得点評価が「インフレ」する可能性が高いでしょう。今後100点以上とそれ以下とで扱いが劇的に変わる可能性があります。

小論文については、日本語力だけではなく、内容でも勝負ができなくてはなりません。国内生のようなペーパーでの学力試験がないかわりに、学部の専門分野に関わるトピックについての深い見識が問われる傾向が強くなっています。

海外大学進学を目指す方にとって必要なのは、①学校の成績(IB)、②TOEFLスコアです。この場合は、IBのスコアだけではなく、選択する履修科目も重要です。学部によっては出願の際に履修科目の条件が課されるからです。また、G12の最終成績だけ良ければいいというわけではありません。実際に評価対象となるのはMockや平常点です。TOEFLの得点は100点以上を目指すようにしてください。大学での授業理解に支障を来たす可能性が高くなります。

ここまで見てくると、インター校生にとっての大学受験の準備の仕方というものが見えてきます。日本の大学志望でも、海外の大学志望でも基本は同じなのです。①早めのTOEFL、②IB Japaneseと小論文の両にらみの日本語対策、③戦略的科目選択、が必要といえるでしょう。

これらを踏まえてオービットでは、大学受験の準備のための英語系、国語系、数学系の講座をそれぞれ用意しています。また、受験直前期や本帰国後はオービットと提携をしている代々木ゼミナール国際教育センターにて対策が可能です。今後の具体的な準備の方法や目標設定等については、これまでの学習歴、帰国予定時期等、複雑な要因が絡みますので、個別にご相談ください。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2013年7月号(2013年6月20日発行)に掲載された内容です。)

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