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『多民族国家シンガポールから学ぶ』 ① 

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2014.02.10

言語・宗教・民族が共存する多民族都市国家シンガポール

筆者の住んでいる多民族国家シンガポール共和国は 約311万人のシンガポール人と、約229万人の外国人長期居住者、合計約540万人が住む多民族都市国家です。

このうち、シンガポール人は、大きく分けて、中華系、マレー系、インド系、ユーラシアン(アジア系とヨーロッパ系のミックス)の4グループから成り、一方、外国人長期居住者は、日本人、韓国人、インドネシア人、タイ人、ヨーロッパ系、アメリカ人、オーストラリア人など、様々な民族や国籍の人々が集まっています。外国人比率はなんと4割近くとなります!!

また、民族や国籍ばかりでなく、宗教も仏教、道教、キリスト教(各派)、イスラム教、ヒンドゥ-教、シーク教などとさまざまで、こうした人々が殆ど紛争もなく共存、安全性の高い国家です。

シンガポールでは、世界で汎用性の高い、旧宗主国のイギリスの言語であった英語を共通語にして、政教分離を徹底する政策をとっています。圧倒的多数派である中国系の民族語である中国語(マンダリン)を共通語にしなかったのは、建国の祖(創業者というべきでしょう)、初代首相リー・クアン・ユーの叡智とリーダーシップに負うところ大です。世界各地で起こっている民族紛争、宗教対立を考えると、多民族国家シンガポールの平和的状況は賞賛に値します。

 

お互いに干渉せずに「ゆるく」共存する「モザイク空間」

ニューヨークは、人種・民族の坩堝(るつぼ・英語ではMelting Pot)と言われていますが、筆者にとって、シンガポールは、島全体が多民族で構成される「モザイク的空間」という感があります。つまり、人種・民族が混じり合ってしまわないで、互いに異なったままそれぞれのアイデンティティを主張、小さい片鱗として周辺に溶け込まないで、「一空間」に収まっています。隣の家族が、異なる習慣や志向、考え方であるのが当たり前。そのため、「自分とは違う!異質である!」ことが日常ですので、「変わっている!」と言われることが「普通」なのです。この社会では、同質性を求めず、それぞれを尊重することが生活の根幹にあります。

ご存じのように正月だけでも4回あります。中華系正月、マレー正月、ヒンドゥ正月そして西暦の正月。それぞれの主要な民族の慣習や文化がきちっと保持されています。無理やり融和させたりせずに、『干渉しないでゆるく共存する』という方式を採っています。

 

 

 日本人のアイデンティティをもちながら、英語を日常的に使う

こんなシンガポールの街は異文化学習の教材そのものです。シンガポールの安全性が生徒たちの異文化体験のチャンスを大きく広げます。公共交通機関(MTRやバス)に生徒たちだけで乗れる都市は世界でも珍しい。Ez-Linkカード(シンガポールのIC乗車カード)1枚持っていれば島中どこでも行けます。共通語は英語なので意志疎通も難しくありません。様々な民族が、異なる発音や表現の英語(シングリッシュは有名ですね)で話しているので、生徒たちも日本人なまりの英語で堂々とコミュニケーションをとることができ、現地体験が日常的にできます。

『当地に居住する多くの民族も日本人もお互い異民族の一つである』とか『民族の数だけ異なった常識がある』といったことが日常的に、至極当たり前に学べます。『如何に異民族同士が共存したらいいか』ということが子供のうちから感覚的にわかったら、日本人のアイデンティティを持ちながら、「グローバル」に成長、日本人としてグローバル人材となることはまず間違いありません。(続く)

 

ワールドクリエィティブエデュケーション CEO
オービットアカデミックセンター 代表
ワールドスクエア 代表
 後藤敏夫

 

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